4-1 スーツのお手入れ


長持ちする着方

ジャケットよりもスラックスのほうが痛みやすいので、ツーパンツスーツを購入されますと長持ちいたします。スーツを何着かお持ちなら、交替してスーツを着ると、しわも回復します。毎日、着続けているといたみも早いので、同じスーツを続けて着ないのはスーツ長持ちの鉄則です。しわができたら、その日のうちに蒸気にあてて取ってしまいましょう。わざわざアイロンをかけなくても、霧吹きで水をかけたり、お風呂の蒸気にしばらくあてるだけでしわが回復いたします。

普段のお手入れ

型崩れの原因になるので、なるべく重い財布や手帳は入れないようにしましょう。
脱いだまま椅子にかけっぱなしにするのではなく、肩幅くらい厚みのあるハンガー(針金のハンガーはだめ)に掛け、スーツのお手入れをしましょう。
スラックスはスラックス専用のハンガー(2箇所クリップが付いたもの)に、スラックスの裾を上にして吊るします。
1日着ただけでもホコリやチリが付着していますので、スーツのお手入れをしっかりしましょう。ブラッシングで、汚れが中まで入るのを防ぎましょう。上から下へと毛並みに沿ってホコリを掃き出す要領でブラシをあててお手入れをします。衿、ポケット、裾なども念入りに。週末にまとめてスーツのお手入れをするのもよいでしょう。
アイロンを使用する場合、スラックスは折り目をそろえてアイロン台にのせます。アイロン跡がつかないように、当て布をしてスチームアイロンをかけましょう。しわを伸ばすように軽く片手でスラックスを伸ばしながらアイロンをかけるときれいに仕上がります。上着の背中や袖にもスチームを当てると見違えるようになります。丸めたタオルを袖の中に入れて台にすると、きれいに形が整います。
このスーツのお手入れ方法でウール素材は、しわや風合いが回復し、臭いも取れます。

汚れ、しみがついた場合

食べ物などのしみがついたら、ハンカチやティッシュですぐに吸い取ります。このとき、こするとかえって汚れが染み込んでしまうので注意してください。家に帰ったら、水か中性洗剤を薄めた液をタオルにつけ、下に乾いたタオルを当てて、上から軽くたたきます。汚れを下のタオルに落とすイメージです。最後に水を絞ったタオルで軽くたたき、しみの周りをぼかしておきます。
自信のない方は、そのままクリーニング店に任せるのが無難です。

雨の日の場合

雨に濡れたスーツを放置しますと型崩れの原因になります。必ずお手入れするように心がけましょう。帰ったらすぐに上着を脱ぎ、乾いたタオルで十分に水分を拭き取り、風通しのよい場所に陰干しします。スラックスはスラックス専用のハンガー(2箇所クリップが付いたもの)に、スラックスの裾を上にして吊るします。よく湿気を取る意味で2、3日はそのスーツを着用しないほうがよいでしょう。

定期的なクリーニング

10回から15回程度着用したら、汚れの有無に関わらずクリーニングに出しましょう。人の目ではわからなくても、目に見えない汚れや人間の垢や脂がスーツに付いているものです。特に虫などは高級な生地が大好きですから、汚れた部分から食われていきます。そのためには、早めのクリーニングが欠かせません。
一回でも着用したスーツは、人間の垢や脂が付きますから、そのままにしておくと次のシーズンには大きな汚れができ、汚れが落ちないこともあります。シーズンが終わったら、しまう前に必ずクリーニングに出しましょう。
最近はスーツに仕上げプレスをかけないクリーニング店もあります。クリーニングの値段で決めるのではなく、上手で丁寧なクリーニング店を探して出すようにしましょう。